愛知る娘は強く舞う

愛知る娘は強く舞う


とある夜。平原にて

陰陽師の姉弟二人組と1人の魔法少女が争っていた。

「くそ。こいつ南蛮鎧を着こんでいるせいで刃が通らん!」

そう侍姿の女が愚痴る。

そこに南蛮鎧の魔法少女イトシフーマは大槍を振るうと侍姿の女はすぐさま距離を取る。

「姉さま。陰陽術を使います。」

「分かった。だが、妖術師の連中にはあまり効かんことは気を付けろよ」

「分かっています。姉様。『青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳・帝台・文王・三台・玉女どうか我らを守り給え勝利をもたらし給え』」

と後ろにいた陰陽師が唱えると二人の周りを淡い光を纏い始める。

「姉さん。これなら南蛮鎧だって切れる筈!」

「分かった!流石我が弟。これで終わりだ!はぁぁぁぁぁ!」

少女が刀を首元めがけて振るうと途中で弾かれた

「なっ。弾かれっ」

『~よ。我が敵を貫け』

「ぐふっ」

「っ姉さま!腕がっ」

「大、丈夫だ。これくらいっ」

い、いつの間に足元に攻撃をしたっ。くそっ偵察のために来たのにまさか妖術師の一人で出会うとは運がない。

あいつの妖術はいったいなんだ。不可視の攻撃を行うものなのか?とにかく、これ以上はまずい。一気にけりを付けさせてもらう。

「一気に止めを刺すぞ!」

「っはい!姉さま」

「『元柱固具、八隅八気、五陽五神、陽動二衝厳神、害気を攘払し、四柱神を鎮護し、五神開衢、悪鬼を逐い、奇動霊光四隅に衝徹し、元柱固具、安鎮を得んことを、慎みて五陽霊神に願い奉る』『かの妖術を使いし者を切り裂く力を我が姉が振るいし刀に与えたまへ』」

「我が一族の剣技喰らい給え!『滝落とし』!」

少女が刀を素早く振るう普通の魔法少女なら鎧ごと切られて終わるだろう。

そう、『守る手段のない』魔法少女ならば

「『結界よ。我を守れ』」

「なっ防がれたぁ!?まさか、けっかi....がっ」

イトシフーマの十字架を模した大槍が彼女の心臓を貫く。

そして突き刺したまま彼女を地面に叩きつけた。

「がっあぁ」

「姉さま!」

「に、逃げろ。逃げて殿に報告をぁ!」

イトシフーマは刺した大槍を引き抜き、喉に突き刺した。

「姉さま!っ~~~ごめんっ」

弟はふり向いて駆け出したが、イトシフーマは逃がさなかった

「『脱鎧(パージ)』」

そう唱えると、イトシフーマの鎧は消え、その下に着ていた袖を切り落とした装束に手足に鎖が巻き付いていたものが見えた。

そして、彼女の陰から手裏剣を取り出し、弟の陰に打ち込むと弟は動けなくなり、彼はそのことに困惑していた。

そして二対の巨大手裏剣を彼に投げ、頭、上半身、下半身に切り裂いた。

そしてその様子を姉は、叫ぶことも出来ずただ見つめながらゆっくりと死に向かっていった。


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